音質劣化がないFLACはMP3に置き換わるか?(24bit/96kHz) |ポケットビジョン ブログ

音質劣化がないFLACはMP3に置き換わるか?(24bit/96kHz)


WindoswとMac OSXでFLACファイルを再生する方法

Appleによる2011年10月のiOS5公開、iPhone4S発売と時期を同じくしてapple lossless audio codec通称ALACのオープンソース化が発表されました。それに伴い、元々オープンソースの可逆圧縮コーデックで幅広く利用されていたFLACがこれまで以上に注目されています。

FLACがロスレスフォーマットで主流の今、ALACがどのくらい普及するのは未知数ですので、今回はFLACを中心にロスレスフォーマットの今後について考えていこうと思います。


■FLACとは何か■

そもそもFLACとはなにかについては以下の記事をご参考にください。

WindoswとMac OSXでFLACファイルを再生する方法 | ポケットビジョン ブログ

簡単にまとめると、FLACの特徴は

・原音に対して音質が劣化しない。
・圧縮率は最大で60パーセントほど。MP3は10パーセントほど。
・可逆圧縮コーデックの中では再生環境が一番充実している。


となります。

再生環境が比較的充実しているので、CD並みの高音質で音楽を聞きたい人にとっては、ALACを含め数ある可逆圧縮コーデックの中で、一番使い勝手が良いでしょう。

FLACはMP3に代替するのか?


■FLACをとりまく再生環境~PCの場合~■

再生にまつわる現状の環境としては、WindowsとMacは有料無料含めて、それぞれある程度の数のプレーヤーがリリースされています。ですが、最大のユーザーを抱えるiTunesは対応しておりません。Windows Media Playerには対応しています。私はWindowsではfoobar2000、MacではAudirvanaを使っています。

MacにおいてはiTunesはプラグインやソフトウェアをインストールすることによって対応します。ですので、パソコンにおけるFLAC再生環境は、ソフトを選ばなければという条件付きで、すでに揃ってきていると言えますが、iTunesで完全に再生できないのは今一歩といったところです。


■FLACをとりまく再生環境~ポータブル機器の場合~■

次に、携帯型の音楽再生デバイスですが、AppleのiPod、Sonyのウォークマンともに公式には対応していません。ですがこの状況はすでに変わりつつあります。理由は、iOSやAndroidのアプリとして再生プレーヤーが続々と公開されているからです。

iPodは、iOSが採用されているtouchが主流になってきていますし、ウォークマンにもAndroid搭載機種が登場してきました。(Android搭載ウォークマンは今のところ2011年12月10日発売のNW-Z1000シリーズのみ

iOSとAndoid、どちらがFLACに対応しているプレーヤーが多いというと、これは圧倒的にAndroidです。この理由は割と明快で、iOSにはiPodという標準かつ、(FLACに対応していない)キラープレイヤーソフトがあるのに対して、Androidの標準プレーヤーはそこまで使われてなく、マーケットからダウンロードしたプレーヤーや、デバイスメーカー製のプレーヤーを使う文化があるからです。

PowerAMPやMeridianメディアプレイヤーなど、多くの有名プレーヤーはFLACを再生できます。ですのでAppleとGoogleではGoogleの方がFLACに強いということになります。iOSでFLACが再生できるプレーヤーはFLAC Playerや、Golden Earなどがありますが、数がとても少ないです。


■FLAC普及に関わる様々な条件■

FLACを含めロスレスコーデックが今後普及していくにはいくつかの条件があるでしょう。

1,ストレージの大容量化と価格が手頃になること

現状の携帯型プレーヤーの価格の相場は32GBで2万円代前半。単純にFLACがMP3の6倍だとすれば、現状のiPod Touchのラインナップが8GBから64GBなので、6倍の48GBから384GBあればだいたい同じ曲数を入れられることとなります。

32GBのiPod touchで、アルバム10曲400MBとすれば80枚800曲入ります。最近は音楽に加えて、動画や電子書籍を保存する機会も多くなってきているので、実際はもっと少ないでしょう。そう考えると、FLACをある程度容量気にせず使うには、128GBくらいないときついかもしれません。128GBあれば、FLACでも約3200曲保存できるので、アプリやその他のコンテンツを入れたとしても、ストレスなく利用出来るでしょう。

ストレージ目線の結論としては、128GBのiPod touchが2万円台で購入できる時期、同容量のmicroSDが数千円で購入できる時期にはFLACが普及している可能性が高いと考えられます。その時期がいつかということに関しては、意見がわかれるところですが、パソコン用のSSDが1年で約半額になったことを考えると、個人的には2年後くらいかなと思います。
(タイの洪水でHDDが大幅値上がりしたので、SSDに移行するスピードが早まる可能性もあります。)

ひとつ言えることは、今後、スマホやデジタルプレイヤーでは、大容量の音楽・動画・写真・電子書籍などを扱うことを考えると、容量に対するリクエストは減ることはないでしょう。

2,楽曲の入手性が上がること

現状、ロスレスフォーマットのファイルを入手して楽しむ方法は、大きく3つに分かれます。
第1に、音楽配信サイトでの購入。第2に、ユーザー自身で行うCDからの変換によるファイルの作成。第3に違法ダウンロードサイトでの入手(もちろん違法ですのでやったらだめです!)です。

音楽配信サイトでは、ロスレスフォーマットに関しては現状はFLACが標準になっています。ALACがオープンソースになったことで今後はALACも増えるのかもしれません。しかし、ロスレス配信されている音楽自体が、まだまだ少なく、AppleやSonyなどの大手が配信を本格的に始めない限りは、なかなかラインナップが増えないと思われます。

ユーザーによるFLACファイルの作成は、パソコンさえあれば誰でもできるので、敷居は低いでしょう。MediaCoderやCDexでリッピング作業をすることによって、CD音源をFLACファイルに変換することができます。手持ちのCDやレンタルしたCDからファイルを作成できるので、現状ロスレスミュージックを楽しむ一番良い方法です。

違法ダウンロードサイトでの入手は、もちろんやってはいけません!が、次の項目で書きますが、意外にも違法サイトでの利用されることが、普及のキーポイントになるという現実があるのです。

3,違法ダウンロードによる普及

今を遡ること10数年。かつてMP3は、違法配信サイト、違法ファイル共有ソフトと共に、音楽業界の目の敵でした。しかし、インターネットの普及にともなって、当時は画期的に容量が小さく音質が良いMP3は、違法でありながらも(MP3自体は違法ではないですが・・・)世界を席巻し、あっという間にデジタルミュージックのデファクトスタンダードになってしまったのです。

元々は違法ファイルの代名詞だったMP3が普及するきっかけになったのが、AppleのiPodに採用されたことでした。AppleはMP3を味方につけてiPodを売ったわけです。そしてMP3を採用しなかったSonyのウォークマンのシェアはどんどん下がっていきました。(現在ではウォークマンでもMP3は再生できます。)

このような歴史から、違法ダウンロードでどのファイル形式が使われるかどうかが、これからも普及の重要な要因になると思われます。動画ファイルのDivxも似たような例です。そして現状の、違法サイトでのロスレスファイルの扱いがどうかというと・・・、これがFLACの圧勝なのです。(googleでちょっと調べれば分かります。)

そういうわけで、違法サイトの後押しが影響するとすれば、FLACはロスレスフォーマットの業界標準になることでしょう。ちょっと切ない現実ですが・・・。

■FLACはMP3に置き換わるのか■

さて、本題ですが、FLACはMP3に置き換わるのでしょうか?それについては、まずそれぞれの、良いところ、悪いところを挙げてみましょう。すごく単純です。

MP3の長所は、容量が小さい、互換性が高い、ということです。逆にMP3の短所は、原音よりも音質が劣化するということです。次に、FLACの長所は、原音に忠実で音質が良いということ、FLACの短所は、容量が大きい、そしてまだ互換性が低いということになります。

今後、FLACを利用しようとしたときに、MP3をはじめとする可逆コーデックとはどう使い分けるべきなのでしょうか。そう簡単にMP3がなくなるとも思えませんし、使い分けについて考えてみます。

・MP3を使うケース

・iPhoneやスマートフォンにたくさん音楽を入れたい場合。(現状ではFLACでは容量が足りない。)
・ポッドキャストやラジオが音源の場合。
・ボイスメモ。

・FLACを使うケース

・とにかく、容量を気にせず、良い音質で聞きたい場合。

FLACを使うケースは、USBオーディオを使ってアンプやスピーカーで高音質再生したい時や、配信サイトからFLACを購入した場合、CDからリッピングした場合などが考えられます。

様々なストレージが大容量化すれば、音楽はどんどんFLACに置き換わりますが、特別に音質が重視されないボイスメモやポッドキャストなどは今後もMP3が使われるでしょう。また、とにかく大量に音楽をつめ込みたいという時にもMP3は活躍するでしょう。

そういうわけで、今後FLACに置き換わるケースはどんどん増えていくと思われますが、もしかしたらMP3はずっとなくならないのかもしれません。ちょっとあいまいな結論ですが。

■まとめと2012年以降の予想■

このような理由からFLACを主とするロスレスフォーマットは、

プレーヤーの容量と価格が手軽になり、

配信サイトでの楽曲のラインナップが増え、

(あまりいいことではないですが、)違法サイトでますます使われることにより、


普及していくと思われます。

そのなかで、オープンソースになったALACが今後どのくらいの機器や楽曲販売に採用されるのか、AppleがALACだけでいくのか、Sonyはウォークマンに自社のロスレスコーデック以外にFLACやALACを採用するのか、などといったことが、今後の注目点と言えるでしょう。

で、2012年以降の予想ですが、

・FLACは今後、携帯プレーヤーの大容量化によって、音質を重視する人たちから普及していく。

・AndroidではFLACの再生環境がどんどん良くなる。iOSでは標準対応や、プレーヤーアプリの充実が待たれるが、アップル的には対応しそうにないし、標準のプレーヤー以外を使う人も増えない。(その点ALACが使われる余地はある)

・販売サイトでの楽曲の対応が待たれるが、当面はレンタルや自分のCDからのリッピングと、違法サイトからのダウンロードによって普及する。

・たとえ数年後に、FLACが普及したとしてもMP3はなくならない。用途によって、MP3と使い分けされる。

・FLAC対応した配信サイトにユーザーが流れる。


個人的には、ソニーかアップルかアマゾンの楽曲販売がFLACに対応したら、そのどれかに移行すると思います。現状はレンタル派でたまにiTunesで買います。

興味がありあましたら、一度ロスレスコーデックに触れてみると、また違った音楽の楽しみ方が見つかると思います。いいUSB-DACを買ったりするのもひとつの楽しみ方でしょう。


(関連記事)

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(関連リンク)

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